労災事故について、会社から「あなたにも不注意があった」と言われ、損害賠償請求を諦めてしまう方もいます。
しかし、労働者本人に過失があったとしても、それだけで会社に対する損害賠償請求ができなくなるわけではありません。
1.労働者に過失があっても会社の責任はなくならない
会社には、労働者が安全に働くことができるよう必要な配慮を行う義務があります。
そのため、事故について労働者に一定の不注意があったとしても、
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危険な作業方法を改善していなかった
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十分な安全教育を行っていなかった
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必要な安全設備を設置していなかった
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無理な作業を指示していた
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重機や機械の安全管理が不十分だった
といった事情があれば、会社の安全配慮義務違反などが認められる可能性があります。
2.「本人がミスをした」というだけでは判断できない
労災事故では、会社側から、
「作業手順を守らなかった」
「危険な場所に手を入れた」
「本人の確認不足だった」
などと主張されることがあります。
しかし、重要なのは、なぜそのような行動をすることになったのかという点です。
例えば、危険な場所に手を入れなければ作業ができない方法になっていた場合や、その作業方法が日常的に行われていた場合には、作業員個人のミスだけではなく、会社側の作業方法や安全管理そのものに問題があった可能性があります。
3.過失がある場合は「過失相殺」が問題になる
労働者にも事故発生について過失が認められる場合には、損害賠償額が減額されることがあります。
これを過失相殺といいます。
例えば、損害額が2,000万円で、労働者側の過失が20%と判断された場合には、単純化すると賠償額は1,600万円となります。
つまり、
「過失がある=請求できない」ではなく、「過失の程度に応じて賠償額が調整される可能性がある」
ということです。裁判例でも、会社側の安全配慮義務違反が認められる場合に、労働者側の事情を踏まえて過失相殺が問題となることがあります。
4.労災保険は本人の過失があっても原則として利用できる
労災保険と、会社に対する損害賠償請求は別の制度です。
業務上の事故であれば、労働者に一定の不注意があった場合でも、原則として労災保険の対象となります。
さらに、会社側に安全配慮義務違反などがあれば、労災保険とは別に会社へ損害賠償請求できる可能性があります。
5.まとめ
労災事故について、自分にも不注意があったからといって、損害賠償請求を諦める必要はありません。
重要なのは、
事故がなぜ発生したのか、会社が十分な安全対策を講じていたのか、作業方法そのものに問題がなかったのか
を具体的に検討することです。
会社から「あなたのミスだから会社に責任はない」と言われた場合でも、その説明が法律上正しいとは限りません。
労災事故の損害賠償請求は、札幌第一法律事務所にご相談ください。
当事務所では、建設現場での事故、重機による挟まれ事故、転倒・転落事故など、労災事故に関する損害賠償請求についてご相談に対応しています。
