ご家族が長時間労働の末に亡くなった場合、労災と認められれば、労災保険から遺族補償給付が支払われます。認められるかどうかは、「どれだけ働いていたか」を証明できるかで大きく変わります。
過労死・過労自殺とは
- 過労死:働きすぎが原因で、脳出血や心筋梗塞などにより亡くなること
- 過労自殺:仕事のストレスでうつ病などになり、自ら命を絶ってしまうこと
残業時間の目安
国の基準では、次のような残業があると、仕事が原因と認められやすくなります。
過労死(脳や心臓の病気)の場合
- 亡くなる前の1か月に、残業がおおむね100時間を超えていた
- 亡くなる前の2〜6か月に、残業が平均でおおむね80時間を超えていた
過労自殺(うつ病など)の場合
- 発病前の1か月に、残業がおおむね160時間を超えていた
- 発病前の3か月続けて、残業が月100時間程度あった
ここでいう「残業」は、週40時間を超えて働いた時間のことです。会社の記録より、実際はもっと長く働いていたというケースも多くあります。
残業が目安に届かなくても、休日がない、深夜勤務が多い、パワハラを受けていた、などの事情が重なれば、労災と認められることがあります。
早めに集めたい証拠
証拠は、時間がたつと消えてしまうことがあります。次のようなものを、できるだけ早く確保してください。
- 働いた時間の記録:タイムカード、パソコンの使用記録、会社のメールの送信時刻
- 帰宅時間がわかるもの:交通系ICカードの利用履歴、スマートフォンの位置情報
- 生前の様子:家族とのLINE、日記や手帳、病院の受診記録
- 職場の様子:同僚の話
ご家族の記憶も大切な証拠です。帰宅時間や本人の言葉、体調の変化を、忘れないうちにメモしておきましょう。
申請の方法と期限
労災の申請は、ご家族が労働基準監督署に行います。会社が協力してくれなくても申請できます。遺族補償給付の申請期限は、亡くなった日の翌日から5年です。
また、会社が働きすぎを放置していた場合は、労災とは別に、会社へ損害賠償を請求できることがあります。
一人で悩まず、ご相談ください
「会社が記録を出してくれない」「何から始めればいいかわからない」という場合でも、弁護士が証拠の確保から申請、会社との交渉までお手伝いします。「仕事が原因かもしれない」と感じたら、お気軽にご相談ください。